なぜ人は、挫折を繰り返しているのに、ついつい大きなチャレンジ目標を掲げてしまうのでしょうか? 頭の中で描いた理想像を元にした目標設定は麻薬のようなものです。何度挫折をしても、新たな目標設定をすれば、「今度こそはできそう」と思い込んでしまうものなのです。

 例えば、禁煙しようとしている人は、タバコを吸いながら「このひと箱を吸い終えたら禁煙しよう」などと思うもの。その時は、タバコなんかいつでも止められる、という気持ちになっています。ところがちょっとタバコが恋しくなると、「あとひと箱だけ吸っちゃおうかな。どうせその気になれば、いつでも止められるんだし」ということで、またスパスパと吸い始める。そして気づいた時には元の木阿弥、「あぁ、また禁煙に失敗した」と落ち込むことの繰り返しになっている、ということが多いのです。

目標は他人に立ててもらうとブレークスルーしやすい

 イギリスのハードフォードシャー大学で心理学を研究するリチャード・ワイズマン教授の調査によると、過去に失敗した目標を目指そうとすると、無意識にストレスを感じ、その結果、目標が達席できなくなる率が高まってしまうとのことです。理由はストレスでモチベーションが続かなくなるからです。

「英語をペラペラしゃべれるようになる」「ダイエットする」などと、毎年同じ目標を掲げ、そのたびに失敗した経験は誰にでもあるのではないでしょうか。人間は事実と感情をセットで記憶します。挫折の感情と目標がセットになっているので、同じような目標を設定してしまうと、目標を思い浮かべるたびに、過去に挫折した悔しさや苦さまで蘇ってきてしまうのです。お陰で、目標を意識すればするほど、逆にストレスを感じるようになってしまうのです。

 ダイエットに必要なのは、食事の管理と運動の習慣です。おそらくそのことは誰でも頭では理解しています。分かっていても、人はダイエットの挫折を繰り返してしまうもの。そこに着目したのが、パーソナルトレーナーがついて食事の管理と運動のサポートをしてくれるライザップのサービスです。

 あの手法は、ダイエットだけに効果があるわけではありません。ライザップのトレーナーにダイエットをサポートしてもらうように、あなたの行動計画やカリキュラムを他人に立ててもらうと意外な効果が上がるのです。それどころか、行動計画やカリキュラムだけではなく、あなたの目標そのものを、他人に立ててもらうことも非常に有効です。「自分で目標を立ててみたけど上手くいかなかった」という人も、他人に目標や計画を立ててもらうと、そこから思わぬヒントを貰えることもあるのです。