学生スパイ、孔子学院、華為技術捜査、出産ツアー起訴
ドナルド・トランプ米大統領が「アメリカを食い物にしてきた中国人」の退治に本格的に乗り出した。
スパイ拠点化した中国語講座「孔子学院」や先端技術窃盗疑惑のファーウェイ(華為技術)の子会社へ家宅捜査、学生を隠れ蓑にしたスパイの逮捕――。
そうした中で、米連邦検察局は1月31日、中国人妊婦を顧客にして行われてきた「出産ツアー」*1を企画・実施していた米国籍の中国人旅行業者を一斉に起訴した。
*1=米メディアは「Birth Tourism」(出産目的の観光旅行)とか「Anchor Babies」(錨ベイビー)という名称をつけている。米市民権を取得する赤ちゃんを船が港に停泊する際に降ろすAnchor(錨)にたとえた。
米国には、「南北戦争終結後に自由の身となった元奴隷も含め、米国領土で生まれたもの、帰化したものすべてのものに市民権が与えられる。その生命、財産は国家が守る」という米憲法修正第14条がある。1968年7月28日に成立している。
中国人が目をつけたのはこの修正第14条だ。むろん中国人だけではない。ナイジェリア人、ロシア人、メキシコ人なども出産ツアーの「常習犯」と目されている。
しかしこれだけ組織的で大規模な「出産ツアー」ビジネスをやるのは中国人以外にいないらしい。
ビザ申請などの渡航手続きから宿泊、出産手続き、新生児の市民権獲得まで一切合切の面倒をみるパックツアーだからだ。