妊娠した中国人女性は観光客を装ってハワイ経由やラスベガス経由でロサンゼルス入りし、近郊のモーテルやアパートに投宿。

 ビザ申請の時には2週間の滞在と書き込んでいるが、実際には出産のために2~3か月滞在し、中国人経営のクリニックで出産する。

 出産後の新生児の市民権取得、社会保障登録などの法的手続きはすべて中国人弁護士や公証人がてきぱきと処理。

 母親は赤ちゃんを連れて中国に無事帰国するという段取りだ。

 飛行機代、宿泊料、出産費など「出産ツアー」の代金として中国人観光業者(本社はロサンゼルス近郊にあるが、中国各地にも営業所があるという)に支払う額は、1人当たり4万から8万ドル程度。

 中には夫や母親が同伴しているケースもあった。

 なぜそれほど自分の子供に米国の市民権を取らせたいのか。逮捕された妊婦の1人は取りに調べにこう答えている。

 「米国は豊かな国だし、大気汚染もなく、空気もきれいだ。子供が市民権を持っていればいずれ自分たちも呼び寄せてもらって米国に住める」

 「教育も公立なら高校までただ出し、中国人が憧れてるアメリカの大学にも行けるし、卒業すれば就職も楽だ」

 「それにカリフォルニアには中国人がたくさん住んでいるし、衣食住が困らない。大きくなって留学させるよりよほど簡単だし、安くてすむ」