強気の姿勢も実は切羽詰まっていたトランプ大統領
2018年7月以来の「米中貿易戦争」終結に向けて中国の習近平国家主席が動いた。
3月1日の一時休戦期限を前に先手を打ったのだ。ドナルド・トランプ米大統領はこれに乗ってきた。
米中閣僚級の貿易協議で合意すれば、2月下旬にも米中首脳会談が開かれる可能性が出てきた。
(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40789710R00C19A2EA1000/)
米メディアを見ていると、一見、トランプ大統領はどこまでも強気の姿勢だが、実際には切羽詰まった状況にある。
トランプ大統領は、貿易不均衡の是正、中国による知的財産権の侵害、米企業への先端技術移転の強要、産業補助金、産業スパイ容疑などなど、次々と対中要求を突きつけている。
だが、ホンネは、制裁関税を賦課して以来、増え続ける対中貿易赤字額をなんとか減らすことにある。
その他の難問は一朝一夕には解決できない。要は中国に構造改革を伴う措置を実施させ、その進捗状況を米国が定期的にチェックできる仕組みをいかに導入するか、だ。これには時間がかかる。