昨年7月以降は、米中貿易摩擦の激化を背景にロボット・工作機械の受注が突然停滞し、多くの日本企業が衝撃を受けた。

 しかし、足許の中国国内の雇用の安定状況を考慮すれば、人手不足を背景とする賃金上昇は今後も続く可能性が高い。

 となれば、生産コスト引き下げのための合理化投資需要は今後も伸び続けると予想されることから、足許の合理化投資関連受注の停滞は一時的なものであると考えられる。

 以上を考慮すれば、今後も自動車関連、およびロボット・工作機械関連需要は中長期的に堅調が持続すると考えられる。

 そうした先行きの需要予測もあって、上記関連の日本企業は引き続き積極的な投資姿勢を持続していくものと予想される。

 この間、それ以外の分野の対中投資姿勢については、2017年までは総じて積極性が強くなかったと言われていた。

 しかし、そうした他分野の日本企業の対中投資姿勢についても、最近は積極化に転じる変化が見られているという話を耳にすることが増えている。

 日本企業が対中投資姿勢の修正を考慮する場合、まずは日系金融機関に相談して情報を入手する。

 そのうえで中国現地視察を行い、投資環境を判断し、経営戦略を練り直す。現地視察の際にも日系金融機関のお世話になるケースが多い。このため、日系金融機関の責任者は日本企業の投資動向に敏感である。

 そうした日系金融機関の責任者によれば、日本企業の現地視察が昨年以降、顕著に増加している。特に、以前に比べて頻度が増えたのみならず、視察に来る人々のランクが上がったと聞く。