2016年頃以降、尖閣問題に端を発する日本車敬遠のムードがほぼなくなったのも影響している。
先行きについては、トヨタ自動車が昨年央以降、中国での販売戦略を一段と積極姿勢に転じた。
ホンダは昨年リコール対応の関係で販売台数が伸び悩んだが、本年はそうしたマイナス要因がなくなるため、堅調持続が予想される。日中関係の改善も好材料の一つだ。
また、急速に拡大しつつある中古車市場でも日本車とドイツ車の人気が高く、下取り価格が他国メーカー比高い。
このため、買い替えを意識すれば、下取り価格が高い分だけ割安感が生じる点も今後の新たな追い風要因の一つになると考えられる。
ある大手日本車メーカーの関係者は、数年後には、日本車のシェアが現在の19%弱から25%程度にまで増大する可能性は十分あると語った。
2.日本企業の対中投資姿勢が積極化
日本企業の対中投資の約半分は自動車関連であると言われている。
自動車産業は裾野が広く、鉄、アルミ、樹脂、ガラスといった素材分野、エンジン、電子部品、タイヤ、内装関連といった部品関連分野など極めて多岐にわたる産業が内包されている。
しかも、それらの幅広い分野の日本企業は日本車メーカーのみならず、中国地場自動車メーカー、欧米・韓国メーカー向けにも供給している。
これらの自動車関連企業が上述の日系自動車メーカーの販売好調などの影響を受け、対中投資額を増加させる傾向にある。
この間、中国における人件費の急速な高騰を背景に、中国企業を中心に合理化投資が増加し、日本企業の得意分野であるロボット・工作機械の需要も好調が続いている。