「働き方改革」の流れの中で、パソコンで行う定型的なデスクワークを、自動的に実行してくれる「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の仕組みが注目を集めています。これは、ソフトウェアロボットが、ホワイトカラーの人たちが行っている事務作業を自動で進めてくれるというもので、「単調だけど、意外に面倒くさい」なんていう作業を、ボタン1つでパソコンがやってくれるという仕組みです。上手く使いこなせば、「働き方改革」や「業務効率化」の強い味方になってくれます。
ところが、中小企業の経営者の方の中には、「ロボット」などと聞くと、「うちの会社にはそんな仰々しいものは似合わない」なんて尻込みしてしまう人もいるようです。しかし私は中小企業にこそRPAは必要だと思っています。
エクセル操作と同様の感覚
RPAは価格帯も内容もさまざまですが、もっともリーズナブルなものだったら、月10万円前後の料金で利用できるものもあります。システムの組み立ても、エクセルを扱うような感覚で出来る簡単なものです。RPAに任せたい作業――例えば「ここでエンターキーを押す」「ここでパスワードをコピーし、こちらに貼り付ける」といった作業――を行うときに、1つ余分にクリックし、ソフトにその作業を覚えさせれば良いだけです。するとRPAのシステムの中で、その工程を記録していってくれ、あとはその作業を実施させれば、自動的に同じ作業をやってくれるのです。システムエンジニアの助けがなくとも、誰でも簡単に構築できるレベルになっています。