前回は、ダウンタウン松本人志さんのTwitter投稿「天才の成功話はほどほどに聞いといた方が良いよ。天才は振り返り方も天才だから。」から、天才と呼ばれる人たちに共通するPDCAサイクルの回し方について解説しました(松本人志「天才は振り返り方も天才」の真意はこれだ http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54595)。

 今回も引き続き、ビジネスを前に進めるPDCAの視点から、実はデキる人が共通でやっている「振り返り方」を解説します。

「ソラ・アメ・カサ」でPDCAを振り返ると原因がみつかる

 PDCAは半年ごとや年1回程度行えばいいというものではありません。仕事の中で日々行うものです。ただ、検証するたびにPに反映することは、結構手間がかかるもの。ルーティーンの仕事が終わってから取り掛かろうとしても、働き方改革のお陰で残業もままなりません。そこで「じゃあ、後でまとめてPに反映させよう」なんて思ってしまったら最後です。夏休みの宿題のように、どんどん後ろ倒しになってしまいます。結果、一見回せているようなPDCAが、実は進捗確認にしかなっていない、なんていうのが現実なのです。

 そう、ビジネスの現場は「イキモノ」です。

「明日が締め切りの経営会議の資料作成をしていたら、課長から飛び込みで急ぎの仕事が入った」「ちょっといいですか、と後輩が相談してきた」というように、程度の差はあれ、毎日何かしらイレギュラーなことが発生し、関係者全員がその影響を受けます。仕事も1つだけではありません。複数同時進行であるため、その数だけPDCAのサイクルが存在します。サイクルを回す期間も短く高速回転なのです。

「失敗の原因は、プランの〇〇が甘かったことと、チェックする時に××がまずかったこと」などというように、「P」「D」「C」「A」の各プロセスの中にある課題が同時多発、複雑にからみ合っているのが実態です。単純に「Pが甘い」という程度の“解像度”が粗い課題認識では解決しません。

「P」「D」「C」「A」全体を俯瞰し、同時に並行で検証して現実的な打ち手を即打たない限り、PDCAは機能しないのです。