コンサルタントとして中小企業を訪ねてみると、ある年代以上の経営者の中に「働き方改革」に心から納得できていない方が多いことに驚かされます。
というのも、彼らは「モーレツ」の時代や「24時間戦えますか?」の時代を生き抜いてきた“歴戦の勇士”。休日返上で働き続けることを美徳としてきた世代です。
それが、過重労働が問題だからと言って、急に「有休は年5日以上取らなきゃいけない」「時間外労働はなるべくしない」なんていうルールが出来てしまったことに対して、内心抵抗感を持っている人も少なくないのです。
もしあなたが中小企業の経営者で、これから働き方改革を成功させようと考えているのなら、その経営者の意識を変える必要があります。「働き方改革」は「働かなくていい改革」ではありません。できるだけ短時間で、効率よく働いていこうという取り組みです。
「法律で決まったんだからやらなきゃいけないんです」なんて言われると、経営者の方は余計にカチンとくる人が多いようですが、そうではなく社員の就業スタイルを「やるときはやる」という効率の良いものに変えていく取り組みなのだという認識を持って、ぜひ改革を進めてもらいたいと思います。
「捨てられる仕事」はないか?
では、中小企業の「働き方改革」はどこから手を付けていくのがベストなのでしょうか。
まずはシンプルに考えていくのが一番です。労働時間を短くするのなら、まずは無駄な時間をなくすとことです。そのために最も簡単なのは、「捨てられる仕事はないか」と探してみることです。実は会社の中には、重複している仕事、よく考えればやらなくてもいいのに長年の習慣で続けている仕事、なんていうものが結構あるものです。「時間がかかっている仕事って何だろうか」という視点から探してみると、見つけやすいかもしれません。