この日のお披露目は、ヤンゴンからタウングーに至る約270キロ(フェーズ1)の3つの工区のうち、バゴー~ニャウレービン間80キロと、ニャウレービン~タウングー間116キロのみ。
とはいえ、一大工事のキックオフとなるだけに、前者の施工を請け負う鉄建建設とりんかい日産建設、そして後者を請け負う東急建設の関係者ら、三々五々集まってきた参列者たちの表情は、一様に明るかった。
中でも晴れやかな表情をしていたのは、改修に向けた設計調査を率い、線路や駅舎の設計図面を引いたり、施工業者の入札を支援したりと、一貫してMRに寄り添い協力してきた大手コンサルティング企業、オリエンタルコンサルタンツグローバルの藤吉昭彦さんと長澤一秀さんだ。
フェーズ1の詳細設計から参加し、今後は施工監理にあたる藤吉さんは「残るヤンゴン~バゴー間の施工企業も間もなく決まり、三工区そろい踏みで2022年の完工を目指す」と意気込む。
タウングー~マンダレーに至る約350キロ(フェーズ2)の詳細設計を率いる長澤さんも「最速で来年1月には日本製車両の入札が始まり、企業の選定が始まる見込み」と意欲を見せる。
コンテナ輸送にも期待
民政移管を受けて2012年に本格支援を再開した日本は、国際協力機構(JICA)を通じ、ミャンマーの今後の経済発展を見据えて全国の運輸交通インフラをどう整備していくべきか、調査を実施。
空港、道路、港湾、鉄道の中で最優先課題とされたのが、列車の走行速度の低下や遅延、脱線が常態化していたヤンゴン・マンダレー幹線鉄道の近代化だった。
老朽化が深刻な軌道を全線にわたって日本製のレールに換え、橋梁の架け替えも行う。
さらに、旅客を乗せる車両は日本製の動力分散型電気式ディーゼル気動車(DEMU)に置き換えられ、信号や踏切も整備される。