丸山市郎大使は、「アウンサンスーチー国家最高顧問が10月上旬に来日した際、安倍晋三首相が今後もミャンマーを重点的に支援していくと伝えた」と述べた。
そのうえで、「日本は将来的な高速鉄道の支援も視野に入れつつ、引き続きミャンマー支援に力を入れる」とも明言。
国際協力機構(JICA)の唐澤雅幸所長も「まずは、安全かつ時刻表通りの運行を実現した上で、末永くミャンマーに協力していきたい」と続け、ミャンマーの鉄道整備を長期的に支援していく意思を示した。
着工を記念するくわ入れのデモンストレーションの後、拍手のうちに式典は終了したが、MRとの度重なる厳しい交渉を率いてきた長澤さんは、「今日がようやくキックオフ」とすぐに表情を引き締めた。
鉄道市場をめぐる支援合戦が色濃くなってきたなか、一足飛びに高速鉄道を新設する代わりに、現情に見合った技術を伝え長期的な支援を目指そうとする日本にとって、ミャンマー側からいかに理解と共感を得、信頼を獲得するかは喫緊の課題だ。
響き始めた槌音は、激化する中国との鉄道支援合戦の一撃となるか。関係者の挑戦が続く。