「今から56年前に坂本九の歌った『スキヤキ・ソング』が米国内で大ヒットしたことがある」

 「この歌が米国民に日本に対するフィックスド・イメージ(明確なイメージ)を確立させるのに役立ったかどうか。はなはだ疑問だ」

 「K-Popにも同じようなことが言える。ポップカルチャーは出たかと思うと、すぐ消えていく泡のようなものだ。どこまでも一過性だ」

 「国民が特定の外国に対する安定したイメージを作り上げるには何年も場合によっては何百年もかかる」

 「いわゆる欧米と中国は何千年も前から、日本とも何十年も前から築き上げてきた歴史に基づくイメージが出来上がっている」

 「中国で言えば、マルコポーロの頃から。日本ならペリー提督の時代からのつき合いがある。韓国にはそうした歴史上の積み重ねが皆無だ。あるとすれば、朝鮮戦争しかない」

「韓国・北朝鮮」の区別すらできない学生も

 南部、中西部に行くと、韓国という国がどこにあるかも知らない人がいる。

 中西部の大学で教鞭に立っているある韓国人教授(米韓の最高学府を出て、米大学で経済経営学を教えている)は、筆者にこう語っている。

 「まず驚いたのは朝鮮半島がどこにあるのか、知らない学生がいたこと。また韓国と北朝鮮の区別がつかない学生もいた」

 「地方紙やテレビは米朝首脳会談について報じていたが、ある学生は金正恩を韓国の大統領だと思っていた」

 何事につけて朝鮮半島の動向を事細かにメディアが報じ、それをよく知っている日本人では考えられないことだ。まさに嘘のような本当の話なのである。