総論的にズバリ表現すれば、「米国の一般大衆は韓国(韓国人)に対してはっきりとしたイメージなど何も抱いていない」と言える。
つまり韓国について米国の一般大衆は知らないのだ。
「自分の住んでいる町で見かけるコリアン・アメリカン(韓国系米国人)の言動で韓国を知るくらいで、韓国についてどうかと言われてもイメージが湧いてこない」(ワシントン近郊にすむ中年の白人主婦)
その前提で、米一般大衆の対韓国観は、まさに「十人十色」。
全く韓国人などには関心がないという極端な「無知派」から世代別、人種別、地域別、韓国(韓国人)との接触体験の有無などによって大きく異なるのだ。
朝鮮戦争世代には「韓国を守った」という強い自負心
世代別では、朝鮮戦争に参戦した元米兵生き残りや戦死者家族には特別な対韓国観がある。
他の世代の米国市民とは異なるイメージがある。ポジティブなイメージはあまりなさそうだ。
「朝鮮戦争という米国人にとっては『外国の戦争』。その戦争で米兵3万3652人が犠牲になった。その記憶は消そうと思っても消えない。韓国人のために戦ってこれだけの若者が犠牲になったのだ」(ロサンゼルス在住の朝鮮戦争に参戦した在郷軍人)
むろん共産主義勢力から韓国を守ったという自負心はあるが、それがポジティブな対韓観にはなってはいない。
「江南スタイル」もBTSも対韓認識定着には役立たず
ミレニアム世代の米国人はネット世代だ。2012年にユーチューブに登場した韓国の音楽ビデオ「PSY」の「江南スタイル」に度肝を抜かれた。
次世代は今最高潮のBTS(防弾少年団)にしびれている。歌い踊っているのは韓国の韓国人とは分かっていてもそれで韓国や韓国人に対するイメージが定着しているわけではない。
ハワイ出身の日系社会学者でキリスト教牧師のディクソン・ヤギ博士はこう分析している。