欧米人はナチスの残虐行為については学校で徹底的に教え込まれている。だがここ数年、欧米ではネオナチスの動きが台頭している。
頭では分かっていてもナチスの犯した犯罪に対する認識は薄れ始めているのだろうか。
オライリー氏には、「ナチス健忘症」になりかけている現代人のねじを巻こうとする意図があるのだろう。
母親に赤ん坊を抱かせて銃殺したナチス
筆者がこの本を読んでいてショックを受けたくだりがある。
かってアウシュビッツ収容所で実際にユダヤ人を殺害した元ナチスの被告と検事との質疑応答だ。
検事 君は生まれたばかりの赤ん坊も殺害した。どのように殺したのか。
被告 母親に赤ん坊を抱くように命じました。そして座らせて母親の胸に向けて銃弾を撃ち込みました。
検事 なぜだ。
被告 そうすれば赤ん坊は泣きませんし、銃弾1発で母親も赤ん坊も殺せたからです。弾が節約できます。