日本のベンチャーの生態系、足りていないのは何か?

数字で見るオープンイノベーション(2)

市川 隆治/2018.9.25

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ベンチャーが生まれ育っていくための環境とは。

 前回の寄稿では、VC投資の現状を統計をもって概観し、日本の投資額が米国や中国に大きく差を付けられていることを示した。この差はどこから生まれたのか? そして、我が国のオープンイノベーション促進には何が必要なのか?

【第1回】「米中を大幅に下回る日本のベンチャー投資の現実」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53910

 今回は、ベンチャーを取り巻く生態系、ベンチャーエコシステムについて見てみたい。

ベンチャーを取り巻くエコシステム

 ベンチャーエコシステムは、イノベーションエコシステムとも言われるが、森の生物の生態系になぞらえて、だいたい次の図のようなものが念頭に置かれている。図の中のそれぞれの要素について見ていこう。

ベンチャーエコシステム(生態系)のイメージ

(1)起業家

 起業家が中心になるのは言うまでもない。起業家には誰でもなれるのかと言えば、そうではなさそうである。芸術家のように向き不向きがある。音符が読めなかったり、楽器を自分の手足のように縦横無尽に扱うことができないようでは世界的な楽器奏者にはなれない。

 では、どのような人物が起業家に向いているのか? それは、ビジネスを最後までやり遂げる情熱のある人物だろう。そのビジネスで世の中を変える、課題を解決するとの情熱である。そのような情熱さえあれば、バグを探すために1週間寝袋でオフィスに泊まり込むことすら何でもない。成功した起業家は、そのような経験は日常茶飯事と言っている。