ITバブル崩壊の再来はあるか? 専門家はこう見る

パリ市内で撮影された、タブレット端末パネルに表示されているグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのアプリ(2018年4月19日撮影、資料写真)。 (c)AFP PHOTO / Lionel BONAVENTURE〔AFPBB News

 世界的IT企業グーグルが主宰する国際会議「Google Cloud Next‘18」が7月24日から26日までサンフランシスコで開催された。

 全世界から2万人以上が参加する巨大会議であり、筆者の関心のある「クラウドのヘルスケア利用」は本会議でも非常に重要なトピックであった。

 グーグル・クラウド(google cloud)とは何か。馴染みがない読者もいるかもしれない。

医療分野にクラウド技術を応用

 Gメール、グーグル・ドライブ、グーグル・ドキュメント、スプレッドシート、カレンダーなど関連のアプリケーションがすべてクラウド上で動き、データが保存される仕組みなどを総称したものだ。

 このクラウド技術を社会でどう応用するか、最新の話題や技術がこの会議で取り上げられた。

 あらゆる分野が関係してくるが、筆者の専門の医療分野も例外ではない。

 これまで大学・研究所や医療施設など個別の機関で保存されていた医療情報がクラウド化されれば、様々な変革が医療に起こる可能性を秘めている。

 その中でも医療関連の話題で重要だと考えたのが、アメリカ国立衛生研究所(National Institute of Health, NIH)とグーグルとの提携である。

 NIHはアメリカ合衆国保健福祉省の一部で、27の研究施設を含む国立の医学・医療研究機関である。

 自前で研究するだけでなく、研究機関に対する助成を行っている。年間の予算額は373億ドル(2018)にも及び、 8割以上を他の2500もの研究機関に配分している。