中国で「大学院卒」の学歴は就職に有利か

中国・河南省の鄭州大学の図書館。大学院受験の勉強をする学生たち(2016年12月6日撮影、資料写真)。(c)CNS/左冬辰〔AFPBB News

 新卒採用など、人事に当たって「私は大学を出ました」と言うとき、いったいどのような能力を期待するでしょう?

 例えば、経済学部を出ましたという若者が面接にやって来たとき、その人が経済のエキスパートだと思いますか?

 思わないのではないでしょうか?

 でもそれが、海外のビジネススクールを出たMBAだ、となると、何かのプロだという気がしませんか?

 あるいは、法学部を出ましたという青年がやって来たとき、その人を法律のエキスパートだと思うでしょうか?

 普通の人事選考であれば、全くそんなこと考えないですよね。

 でも、それが司法試験に通りましたという人なら、弁護士や判検事の卵として明らかにプロのラインにいる人として扱われることでしょう。

 いったいこの違いは何なのでしょうか?

学徒動員と専門性

 いま、経済と法律という、日本の慣習に従うなら「文系」の専門を挙げましたが、これが理系となると少し話が変わります。

 工学部電気工学科を出ましたとなると

 「ああ、この人は電気のことは分かるのね」という、その職掌を収めた人だという認識になります。一番顕著なのは医学でしょう。

 医学部を出ましたと言う人がいれば、仮に医師免許を持っていなくても「ああ、医学のことが分かるのね」と考えるようになる。

 日本社会では、そういう慣習的な思考回路が、現実問題としてまかり通るようになっている。

 これ、いつからのことだと思われますか?