男性従業員の育児休業取得率75%を達成

 ヒューリックは、オフィスビルや商業施設、賃貸住宅など不動産資産に関わる事業を行う、従業員数は約200名ほどの企業だ。男性従業員の育児休業取得率75.0%、しかも管理職の取得率は80.0%(対象者5人中4人が取得)と、驚異の数字を叩き出す。

 経営のトップがダイバーシティ経営や働き方改革に向けた強いメッセージを発信し、さらに従業員の声に耳を傾け、随時制度を新設・改定しているという。

 例えば、短期の育休を取得する際に最初の1カ月を有給化する「育児特別休暇」、事業内保育所の設置、保育園利用社員にマイカー通勤と本社ビルの駐車場を無料で利用を許可、各種補助制度(保育所利用料補助、学童クラブ費用補助、延長保育費用補助、病児保育費用補助、ベビーシッター利用支援)など、ユニークかつ実用的な両立支援制度が多数整備されている。

 さらに、子どもが小学生までの間、子どもの用事で年間10日まで有給が取得できる「こども休暇」など子育てに関する休暇も充実している。

 配偶者の出産報告があったら、人事チームから休暇取得の促進や制度を紹介する声かけを行い、両立支援制度の周知を徹底するという。

 そして、パパ・ママ子育て支援ガイドの発行、子育てや復帰に向けた定期的メッセージの発信、オンライン講座、24時間電話相談サービスなど、地道な取り組みを一歩一歩確実に進めることでサポート体制を強化している。

 こういった取り組みにより、育児休暇を取る人が増えたことで実績が実績を呼ぶ形で広まったという。

 アワードでは、業務の効率化により平均残業時間を年間で30時間以内に抑えるなど、働き方改革も併せて行った点も評価されている。リスク管理委員会での労働時間のモニタリングや半日休暇の上限を年5日分から10日分(年20回)に引き上げ、有給休暇取得率が71.6%と厚労省が2020年までの目標値とする70%をすでに超える結果となった。