そば打ちや旅行・・・業務時間内に行われるイベント

 グーグルでは、社員同士のレクリエーション活動も定期的に開かれているという。サバイバルゲームにカーリング、そば打ち体験、演劇レッスン、旅行などが業務時間内に行われる。参加は強制ではなく、企画するのは自主的に手を挙げた社員だという。

「常に外からの採用があり、新しいメンバーがいつもいるので、定期的にこういうことをやって、人間関係を醸成することが大事」とセントジョン氏はその意義を語る。

「企画実施、予算管理など、ここでもアイデアセンスと、プロジェクト管理センスが問われます。チーム貢献度やコミュニケーション能力などを発揮するチャンスで、積極的にやる方が評価されることが多いですね」と、セントジョン氏は前向きにとらえている。

会議室への移動時間も時間管理する

セントジョン美樹氏
2008年グーグル入社。グーグル Japanで広告営業部の営業企画開発を担当。出産、職場復帰を経て、広告営業パートナーシップ戦略企画部へ。統括部長として管理職も6年間経験し、2017年3月に退社。現在はサンフランシスコ在住。フリーランスで日米スタートアップビジネスの支援、日米企業双方のデジタルマーケティング支援などを行う。

 セントジョン氏が挙げる前編で紹介した「Transparency(透明性)」のもう1つの例が、グーグルカレンダーによる時間管理と共有だ。

 会議の時間管理はグーグルらしさがにじみ出ている。カレンダー上で会議室を予約する際には、1時間の枠を確保すると会議時間が50分間に、30分枠では会議時間が25分間に自動設定されたという。会議室への移動時間なども考慮され、会議時間は常に5分10分短く、がデフォルトなのだという。

 社員は自分の出社時間やその他の予定、移動中や外出中などをカレンダー入力して、社内で公開し共有する。スケジューリングできない時間は「DNS」(Do Not Schedule)と書き込む。例えば「プレゼンの準備に集中したいから、この8時間はDNS」といったように。

 時差がある海外との業務が多かったセントジョン氏も、お子さんの保育所への迎えから寝かしつけまで、夜5時半から8時半はスケジュールをブロックしていたという。15分刻みで予定が入る管理職となっても「自分の時間もきちんと押さえていた」とセントジョンさんは振り返る。