ウラジオストク市内の展望台「鷲の巣」から見たゴールデンホーンブリッジ。本橋や同じ斜張橋のルースキー橋の建設には伊藤忠商事、IHI、會澤高圧コンクリートといった日本企業が活躍した

 メディアのロシア報道を見ていたら、ロシア極東が騒がしくなってきている。理由の一つは、今月14日から始まるサッカーW杯ロシア大会のためだ。

 サランスク、エカテリンブルク、ボルゴグラードといった日本人には馴染みの薄いロシアの街で行われる日本代表戦を応援に出かける日本人ファンの数を日本航空は1万2000人前後と予想している。

 この全部の観客を日本航空とアエロフロート両社で運行する成田―モスクワ直行便で運び尽くすことはできない。

 直行便に乗れない場合は、ロシア極東のハバロフスクやウラジオストクを起点、終点とするロシアの国内便を利用することも選択肢になる。

 これらの極東の街からは、日本や韓国にS7航空やオーロラ航空などの国際連絡便が1日に何便も出ている。

 これら極東の街は、名前こそ聞いたことがあるが、自分がそこへ行くとなると、何か心配になる、ということで、私にもいろいろと質問が来ている。メディアはここを狙ってロシア極東を取り上げているのだろう。

 私は先週ウラジオストクに出張していたので、本稿では極東沿海地方を代表する都市ウラジオストクの最新の姿をご紹介したいと思う。

ウラジオストク国際空港

 日本や韓国とつながる極東ロシアの空の玄関、ウラジオストク。10年前のウラジオストク空港であれば、1日に数便しかない国際線を狭い待合室で長時間も待たされることが多かった。

 私はよく空港敷地内のエアポートホテルのレストランでこの時間を潰したものである。2012年のAPEC(アジア太平洋経済協力)会議を契機に新空港ターミナルが建設され、使用が開始された。

 2階建の近代的な建物で、ほとんどの機能は1階に集中していて、2階は出発用ゲートとパスポートコントロールおよび免税店のみである。

ウラジオストック空港国際線ターミナルビルディング。 出資者が大きな歓迎の看板を出しているのは面白い