血管のケアに大事なのは食事というが・・・(写真はイメージ)

 健康診断で悪かった数値を見て「しばらく酒を控えよう」と思うことは多い。だが、気を付けたいのは健康診断の数値だけでは気づきにくい、血圧、血糖、血中脂質の3つの血管リスクだ。これら3つうち1つでも数値が悪いと、残りの2つも悪化し連鎖する可能性のあるトリプルリスクに陥る。放置すれば動脈硬化にもつながり、さらに脳梗塞や心筋梗塞、脳卒中に至ることも。

 テレビで初めてメタボリックシンドロームを取り上げて警鐘を鳴らした医学博士の岡部正氏に、「トリプルリスク」が起こるメカニズムと、その大きな原因の1つである食習慣の改善方法を聞いた。

全ての根幹「インスリン」の働きが、トリプルリスクの鍵を握る

岡部クリニック院長 岡部 正氏 日本病態栄養学会評議員、日本糖尿病学会認定専門医・指導医、日本肥満学会会員などを務める。近著「コレステロールと中性脂肪を自力で下げる本」(2015年)

  メタボリックシンドロームとは内臓肥満をベースにして、高血圧、高血糖(糖尿病)、高血中脂質などが複合したもので、動脈硬化症や心筋梗塞を発症しやすい状態のことを指す。そこには“かくれ肥満の状態”も含まれ、見た目の肥満度だけでは分からない点にも留意されたい。

 内臓肥満になると、インスリンの働きが悪くなり、血糖値を下げるためにその分泌量は過剰になる。結果的に、体内の塩分を調整する腎臓や中性脂肪を合成する肝臓にも作用し、血圧や血中脂質の値が高まると言われている。

 つまり、もし1つの数値が高くなければ、他の数値にも影響するインスリンの働きが悪くなっている状態の可能性があるのだ。これが、高血圧、高血糖、高血中脂質のトリプルリスクという負の連鎖が起こりうるメカニズムである。

 「原因は主に食べ過ぎと運動不足。特に食べ過ぎは、食べる量が増えれば自ずと脂肪分や塩分、糖分も多く摂ることになりますから、いずれにせよリスクになるわけです」