横軸の「価値観」とは、権力を本質的に否定的なものと考えているか、あるいはポジティブな可能性のあるものと考えているかということです。

 縦軸の「行動への志向」とは、権力に関わることについて、主体的に決断し行動するか、あるいは受け身になるかということです。

 それではいくつかのタイプについて詳しく見ていきましょう。今回は、9つのタイプのうち、社畜予備軍に相当する3つのタイプについて紹介します。

・「シニカル」タイプ

 一番左下に位置するこのタイプの人は、自分のことを、現実がよく分かっているリアリストだと信じています。

 権力に関連することに対して非常に否定的で、組織内のゴタゴタや混乱から超然と距離を置こうとします。 

 イエスマンが昇進し、見かけだけ業績を上げるように見える人間がちやほやされることには本心では不満を抱いているものの、「それが現実」とある意味、悟りを開くことで自分のプライドを守っているタイプです。悟りを開いているので自分でイニシアティブをとって何か新しいことをやることは意味がない、と感じています。

 このタイプの人は会社ではできるだけ目立たずエネルギーを温存し、趣味や家庭に命をかけていることが多いです。こういう人が増えると、クリエイティブなエネルギーはすべて組織の外の活動に向かうような活力の無い会社になりがちです。

 このタイプの人は、組織内の権力闘争や政治抗争はマイナスな価値しかないと捉え、自分は「そういうダークなことと関わらない」として自分を保っているのです。