平鍋 もちろんそう思っています。僕はそこにすごくパッションがありますね。アジャイル開発を広めようとしているのも、エンジニアの仕事や働き方を変えていきたいからです。

──永和システムマネジメントとしては、働き方の改善に向けてどんな取り組みをしていますか。

平鍋 例えば、2012年8月からテレワーク(在宅勤務)制度を導入しています。きっかけは東日本大震災なんです。まず東京電力からの節電要請がありました。また、あのとき帰宅困難者がたくさん出たんですね。そこで在宅勤務の可能性はないのかと検討を始めました。

 現在、クラウド上の社内情報共有システム、社内SNS、チャットツール、ウエブ会議、テレビ会議などをフル活用してテレワークの環境を構築しています。制度導入以来、東京支社ではほぼすべてのメンバーが利用しています。人によっては週に4~5日テレワークという人もいます。

 また、2014年からは社員の主導で「WoW↑3(ワウ・アップ・スリー)」という活動が進められました。「WoW」というのは「Ways of Working(ウェイズ・オブ・ワーキング)」、つまり働き方です。社員がもっと働きやすくなる制度をみんなで作ろうという活動です。

 その第1弾として、7~11時の間なら何時に出社してもいい時差出勤制度を導入しました。それ以外に半日有休制度、ひといき休暇制度(3日連続で有休を取れる制度)、リモート勤務制度なども導入しています。

──システム開発の仕事だと、フレックスや長期休暇取得は難しくありませんか。

平鍋 参加しているプロジェクトによって、できる人とできない人がいます。ただ、社員が希望する働き方はさまざまですので、その希望にできるだけ応えられるよう、会社としては柔軟な制度を用意したいと考えています。

──永和システムマネジメントの社員たちは、和やかというか和気あいあいとした雰囲気ですよね。そうした社内の雰囲気作りも心掛けているのですか。

平鍋 確かに当社は家族っぽいところがあります。今どきのスタートアップ企業とはちょっと違うんですよね。今、社員が200人ちょっとだから顔と名前が全員一致するんです。これが1000人になったら絶対に無理でしょうね。だからあまり急成長させてしまうと、逆によくないのかなと思っています。