IoTの分野でも、新しいテクノロジーや活用法が続々と登場している。城田氏は、<産業機械や産業機器などのモノを対象としてIoTが一定の成果を収める中で、今後、注目を集めるのは、人間、あるいは人間が直接触れる衣服や靴などを対象としたIoTであろう> と記す。

 こうした人間を対象としたIoTは「IoH(Internet of Health)」と呼ばれる。IoHはセンサーによって生体データを収集し、体調の管理などを行う。心拍数や睡眠時間などの生体データを収集するデバイスは、手首に装着するタイプが主流だが、ウェア型の「スマートクロージング」も登場している。また、センサー技術の進展はすさまじく、米国では1ミリ大のシリコンチップセンサーを埋め込んだ錠剤も開発が進んでいるという。

インターフェースは音声が主流に?

 世界のトップを走るIT企業群が、“何を巡ってどんな戦いを繰り広げているのか”も、本書のよみどころの1つだ。例えばこれから激しさを増しそうなのが、音声アシスタント端末市場での戦いである。

 現在、パソコンのインターフェースといえばキーボードやマウス、テレビや電子レンジといった家電のインターフェースならば操作ボタンやリモコンが一般的だ。だが、城田氏は、<5年後、あるいは10年後には別のものに置き換えられている可能性がある> <次世代のインターフェースの主役となるのは、ほとんど誰もが使える音声になる可能性が高い> という。