カラフルな自転車だけじゃない!中国シェアリングサービス

中国ではシェアリングエコノミーが急成長しているが、バブルの様相も。写真は遼寧省瀋陽でBMW1シリーズを専門に貸し出すサービス(2017年8月10日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News

 手軽なスマホ決済をウリにした中国のシェアリングエコノミーの台頭が、わが国でも報じられて久しい。昨年(2016年)の中国におけるシェアエコの市場規模は3兆4529億元(約59兆3500億円)に到達。今年10月の共産党大会においても、習近平はイノベーションやシェアエコの重要性を強調し、今後も国策としてイノベーション立国を進めていく意向を示した。

 だが、中国のイノベーション業界はすでにバブル化した面があり、今年夏ごろからその問題点が盛んに指摘され始めている。結果、昨今の中国で話題になっているのが、中小業者の淘汰・倒産ラッシュだ。本記事では中国的イノベーション・バブルの陰で大コケしてしまった、「しくじり企業」の数々を追ってみることにしたい。

蒼井そらを使って宣伝したのに・・・

 中国では2010年ごろから日本のセクシー女優の蒼井そら(33)が大人気で、女性を含めた一般人もみんな彼女の名を知っているほどの知名度を獲得。蒼井は中国国内で楽曲を配信したりドラマに出たりと、すっかり大物芸能人になってしまった。

 そんな蒼井そらを広告塔に仕立てて大々的に市場アピールをおこなったのに、見事にしくじったのがホテル予約アプリ「訂房宝」だ。2013年7月にIT大手アリババの元社員・孫建栄が起業し、鳴り物入りで展開したサービスである。

「訂房宝はどんどんよくなる」とみずから揮毫した掛け軸の前で「主席ユーザー体験官」の仕事をする蒼井そら。しかし業績はどんどん悪くなってしまった(『数英網』より)