大規模サイバー攻撃、これまでにわかったこと

オフィスに設置されたコンピューターと各種ケーブル類。米首都ワシントンで(2017年5月13日撮影)。(c)AFP/Andrew CABALLERO-REYNOLDS〔AFPBB News

 この原稿を書いている「終戦の日」8月15日時点で、ビットコイン(Bitcoin)は、最高値1BTC=49万7000円ほどの値をつけています。ちなみに1か月前の7月16日には約21万円の底値をつけ、1年前の2016年8月15日には1BTC=5万8000円ほどでした。

 1か月で約2倍、1年でほぼ10倍規模の成長、とんでもない景気と言うか高度成長とも言えますが、これをバブルと見る人もいることでしょう。

 今回は、暗号通貨経済がバブルではなく、新しい経済の決済基盤としてどれほどかつてない強さを持つかを素描したいと思います。

 もっと言えば、例えば国連が掲げるSDGs(持続的開発=Sustainable Development Goals)のための17の目標すべてを加速し、とりわけ貧困を撲滅、暴力戦争を回避し、配分の公正そのものが社会を安定して成長させる基盤ともなり得る背景に、ざっくりと踏み込めればと思っています。

フォークはビットコインの「脱皮」?

 昨年の今頃はは5万円台だったBTCが急騰したのは2017年5月23日前後です。これには明確な理由があります。

 「コンセンサス2017」というビットコインの国際会議がニューヨークで開かれました。ここでの議論を通じて「Segwit×2」など「スケーラビリティ問題」の現実的な解決策が議論されるようになって、BTCは日本円にして30万円を軸とする推移に浮上します。

 これを「成長痛」と表現するコラムがありましたが、実際に7月21日、「Segwit」はオンセットし、8月1日にはビットコイン・キャッシュ(Bitcoin Cash)へのハードフォーク(分裂)が訪れました。

 それからまだ2週間しか経っていません。学術論文の審査期間を待っていたら、相場の推移の方が1桁早いので、玉石混交様々な情報が飛び交っていますが、ここでは私自身が原理から考える、ぶれないフィンテック(FINTECH)不動の原点から言えることだけで、物事を考察してみましょう。

 8月1日のBTHフォークの後、1週間ほどの「潜伏期」を経て、まずBTCは36万円台強に跳ね上がります。だいたいヒロシマとナガサキの日の間に5分の6倍の成長があった。

 次いで終戦の日の週を迎えて、BTCはほとんど48万円台で推移、さらに50万円に迫る勢いへとステップアップしています。前の週からさらに1.5倍、急激な「成長」です。「暴騰」と見る人もいるかもしれません。