7月27日の日本経済新聞一面に「研究開発費、4割が最高」という見出しが並びました。
「主要企業が収益の4割をR&Dに投入」という話では、さすがにありません。日経新聞がまとめた2017年度の「研究開発活動に関する調査」で、我が国主要企業のうち、約4割に上る会社が過去最高の研究開発費を投じることが分かったというものです。
2016年度比で5.7%と東北大震災以降でも最大の急成長が見込まれています。日経は「自動運転やITを中心に新たな成長投資に振り向ける」と記していますが、これが若い世代の人々に、どんなチャンスや夢、希望と、具体的な行動を可能にしていくかを考えてみたいと思います。
要するに、「基礎研究や開発がしたい!」という若い才能が活躍できる場や、そのための予算が過去最高を記録すると同時に、著しい伸び率を見せている。
採用や雇用条件などにも、様々な良い変化の兆しを期待したいところです。
主要各社のR&D
各社の研究開発費を東洋経済の記事で見ててみましょう。
トップはトヨタ自動車の1兆500億円でダントツです。売上高が約28兆4000億円なので、R&Dが売上高に占める割合は約3.7%になります。
2位はホンダの約7200億円、売上高が約14兆6000億円で約4.9%。
3位は日産自動車で約5300億円、売上高が約12兆2000億円で約4.3%
4位はソニーで約4600億円、売上高が約8兆1000億円で約5.6%
5位はパナソニックで約4500億円、売上高が約7兆5000億円で約6%
トップ5社はおおまかに売り上げの5%程度をR&Dに投入して、AIやIoT、自動運転などめまぐるしく進展する国際イノベーション競争の波を乗り越えて行こうとしているのが数値で確認できます。
6位以下、R&Dの額だけ記すと
6位 デンソー: 3992億円
7位 東芝: 3609億円
8位 武田薬品工業:3459億円
9位 日立製作所: 3337億円
10位 キャノン: 3285億円
トップテンで特記すべきは8位の武田薬品で、1兆8000億円の売り上げに対して3400億円のR&D投資は約19%。極めてイノベーティブな姿勢が数字に表れています。