ADHD、脳の大きさにわずかな差 大規模研究で確認

MRIの準備を進める医師。スウェーデン・ストックホルムの病院で。(c)AFP/JONATHAN NACKSTRAND 〔AFPBB News

 今日は未来予測の話をしてみましょう。早晩こんな技術ができるという話です。

 1999年に東京大学に着任して18年、大学での戦略担当、またTLO(大学の技術移転)の役員として技術評価委員などを務めてきましたが、そういう現場からのご紹介です。

 例えば、病院に行きます。CTスキャンとかMRI装置の中に横たわり「全身断層撮影」をしてもらいます。

 頭の先から足の先までスキャンされ、「大根の輪切り」のように得られたあなたの全身データをAIがチェックします。

 AIは膨大な臨床データの画像診断結果を自己学習しており、かなりの確率で見落とすことがありません。

 これに、血液検査や超音波エコーと、心電図などほかの診断をすべて統合して「デジタルヒューマン」としてコンピューターの中に「あなた」自身の内臓を含めた全身が再現され、現時点で発生し得る病気の種、それらのリスクなどがすべて計算されて明示される。

こういう技術は、時期的な早い遅いは正確には分かりませんが、少なくとも2030年頃までにはかなりの範囲で確立されることになるでしょう。

 こうなると、保険なども変わります。現時点では「医師の診断書」の提出で済まされていることが、善くも悪しくももっと厳密になり、融通は利かなくなるでしょう。

 病気の人には、2017年時点でもすでに臨床治療のビッグデータから、様々な治療法とその治癒率などを知らせることができます。

 それらを告知したうえで、患者自身や家族が治療法を納得して選択していく、インフォームド・コンセントが21世紀に入って急速に普及しました。こうした状況もAIと医療センサー、データ処理技術の進展で大きく変わる可能性があります。