今思えば、そりゃ若手はそういうもんだと思いますし、もっと工夫してやればそうはならなかったと思うのですが、中二病ならぬ、20代後半に誰しもが悩む「このままでいいのだろうか病(20代後半病)」を患ってしまったのでした。
(3)都庁の施策の「前向きさ」に惹かれた(転職理由の1割)
ようやく出ました、前向きな転職理由です。
私は、学生時代から環境エネルギー分野に携わっていたのですが、都庁では二酸化炭素の排出規制や取引を行う「キャップ&トレード」や、省エネ家電を見える化する「省エネラベリング制度」など、国に先駆けた先進施策をどんどん打ち出していました。これら施策の「前向きさ」に惹かれたのも理由です。
改めて書いてみると、9割が後ろ向きな理由で、一般的に見るとダメな転職理由ですね(笑)。後ろ向きな理由での転職は成功しない、とさまざまなハウツー本に書いてありますし、Google先生に聞いてもそう返ってくるので、決して真似はなさらないようお願いします。
国家公務員(総合職)として働くメリット
一方、文部科学省では多くのことを学びましたし、国家公務員(総合職)として働くことには多くのメリットがあります。私が感じるものとして次の2つがあります。
(1)情報が集まるので、その道のプロになれる
情報が日本で一番集約する場所は霞が関です。これは間違いありません。
各省庁では、さまざまな制度・規制・事業を持っていますが、関係する事業者・業界団体・独立行政法人などなどは、現在の市場状況や現場での動きなどをひっきりなしに役所に説明に来ます。こちらから聞かずとも頻繁に来庁してさまざまな情報を提供してくれ、また、こちらが調べてほしい言ったことも迅速に調べてくれます。毎日さまざまな情報を入手できるので、自然とその道のプロになれます。
ただ、キャリア官僚の異動周期は1~2年なので、せっかく蓄積された専門知識も、異動の度にキャンセルされてしまいます。この異動期間の短さ、結構な社会的損失だと思うのですが、これはまた別の話ですね。