「トクホ」や「機能性表示食品」であることをアピールしてもヒット商品になるとは限らない(写真はイメージ)

<制度や表示だけに頼っていては、食品の機能性マーケティングを成功に導くことはできません>

 ゼロから2000億円のキシリトール市場を育て、食品マーケティングの第一人者として知られるインテグレートCEOの藤田康人氏は、『ヒットを育てる!食品の機能性マーケティング』(日経BP社)の中でこう指摘する。

制度を利用してもヒットに結びつかない理由

ヒットを育てる!食品の機能性マーケティング』(武田 猛、藤田 康人 他(著) 、日経BP社)

 日本では1991年に「特定保健用食品(トクホ)制度」がスタート、2015年4月には「機能性表示食品制度」がスタートした。

 機能性表示食品制度は、その商品が「体にどのように良いか」を企業の責任で表示できる制度だ。トクホは、国の審査・許可が必要だが、機能性表示食品は国による安全性と機能性の審査はない。企業が自身の責任において、「ヒト対象の臨床試験結果」もしくは「有効性を示す質の高い研究報告」を消費者庁長官へ届け出ることによって表示が可能となる。

 現在、「トクホ」表示が許可された食品は1154品目に上る(2017年1月時点)。また、機能性表示食品の開発はトクホに比べてコスト・開発期間ともにハードルが低いこともあり、開始以来、新商品が次々に発売されている。2017年2月末の時点で機能性表示食品の数は700を超える。