今回の試乗開始の位置は、スキー場の正面入り口で未舗装だった。そのため走り出して5メートルほどでも車体の揺れを感じたのだが、先代車との違いをはっきり感じ取れた。

 こうした違いは前述したSGPによるものだが、副次的にはサスペンションの改良が大きく影響している。スバルの資料によると、前後のサスペンションはインプレッサ用にスペーサーを入れて嵩上げした。だが、それによってロールやピッチングの作動点が上がってしまうため、サスペンション各部の剛性を上げるなどの修正を行った。そのなかでも、リアのショックアブソーバーに対する横からの力を影響力を大幅に軽減させたことでリアサスペンションが「しっかり動く」ようになった。これにより、走りの深みが増したのだ。

 さらに、ハンドリングとサスペンションの相性が実に良い。今回の試乗では、先代車との乗り比べも行ったが、先代車のハンドリングはクルマ全体とのバランス感が悪く感じてしまうほど、新型のハンドリングが良いという印象だ。

 結果的に、新型は2.0リッター車も、今回から導入された1.6リッター車も、運転中の疲れが少ない。腰高のクロスオーバーSUVではなく、車高の低いスポーティなセダンのような走り味だ。また、「フォレスター」で採用している四輪駆動の電子制御システム「Xモード」を搭載したことで、悪路での走破性が上り、下り坂での速度制御などを体感できた。これらにより厳しい路面状況でも精神的なストレスが大幅に減った。

Xモードを体験するため特設コースの斜面を登る。