さまざまな「クラブ」への入会は富裕層コミュニティへの接触の手段となる(写真はイメージ)

「ロータリークラブ」という名前はもちろん聞いたことがあるはずだ。元々はアメリカで誕生した奉仕の精神を重んじて活動する親睦団体である。

 日本には現在11万人を超える「ロータリアン」(ロータリークラブ会員)がいると言われている。世界的に見れば100万人を超えるメンバーがいるようだ。実はかくいう私も、かつてロータリアンであったことがある。

 ロータリークラブの活動は、いわゆるフィランソロピー的な慈善活動に留まらない。場合によっては世界各国のロータリークラブと連携して基金を集め、学校を創設するなど、いわば主体者としての慈善事業を目指す団体にもなりつつあるようだ。

 寄付をするという行為に加え主体者の1人になるという発想は、以前、本コラムでも紹介した、寄付型の事業を興すベンチャーフィランソロピーという概念とよく似ている(参考「『お金持ちの役目』を果たすお金持ちが増えている」)。学校創設の例で言えば、教師やスタッフなどの雇用も生み出しているわけだから、篤志の表れとして理解しやすいケースの1つだと思われる。

世の中は「クラブ」だらけ

 さて、アジア富裕層マーケティングを考えていく場合、やはり「富裕層コミュニティはどこに存在するのか」という話に行きつくことが多い。私の通常のビジネスの中でもアジア富裕層のコミュニティを探し続けることは基本的な命題の1つだ。

 手始めに考えられるのが、ロータリークラブのような地元のクラブの情報を収集する方法だ。