「キャリアアップ助成金」はスタッフの研修コストの一部を助成してくれる(写真はイメージ)

 2016年はマイナス金利の発動で不動産投資への融資が活発化した1年となった。

 インデックス上は景況感に不透明さは感じられないものの、当社(ルート・アンド・パートナーズ)の富裕層顧客が経営する会社においては、資金繰りへの不安をよく耳にした。足元の景況感はなんとなく悪い──、そんな思いで2017年のスタートを切った方々も多いのではなかろうか。

この助成金に注目

 改めて2016年を振り返ると気がつくことがある。それは、地方自治体や独立行政法人、あるいは日本政府からの問い合わせが多くなった1年だったということだ。逆に民間企業からの問い合わせが減ったことは経営者としては残念なのだが・・・。

 そんな中、ちょっとしたきっかけから、調査関連の助成金や研修の助成金を上手に活用している顧客の話を聞いたので紹介しよう。

 まず有名なところとしては、キャリアアップ助成金をはじめとする厚生労働省の助成金がある。いわゆる「研修対応型」の助成金だ。

 スタッフの研修コストの一部(場合によっては全額)を助成してくれるもので、それなりの知名度がある。しかし、活用しきれているかというと心もとないのではないだろうか。社員雇用をしている法人であれば、ほぼすべての法人が対象となっているのにもかかわらず、だ。

 事業成長のエンジンとして社員やスタッフの能力向上を否定するビジネスマンは皆無のはずだ。まだまだ使いきれていない助成金の1つとして注目してよいだろう。