海外の富裕層はどのように相続税対策を行っているのだろうか(写真はイメージ)

 日本の富裕層は投資にも寄付にも消極的だとよく言われる。消費に関しても、諸外国の富裕層と比較すると決して積極的とは言えない。

 その根底には、「いつお金がなくなるか分からない」「子どもや孫に資産を残せなくなるかもしれない」という漠然とした不安感があるようだ。

相続税を払っても資産が増える?

 そんな不安をカバーするための手段の1つに「金融商品としての保険」がある。日本の富裕層も多数の保険に入っている。それにもかかわらず、なぜ資産消滅の不安感が常にアタマをよぎるのか。日本の保険は、富裕層が望む保険の仕組みに行き着いていないのではないか・・・?

 そうした問題意識から、筆者はアジアを中心とする海外富裕層の資産保護の方法を調べるようになった。その結果、判明したのが、日本と海外の富裕層は相続税対策の考え方、手法が大きく異なっているということだ。

 シンガポールのように相続税がゼロという国もあるが、そうした国は例外として、海外の富裕層は一体どのように相続税対策を行っているのか。