当社(ルート・アンド・パートナーズ)には富裕層からの相談が多数寄せられる。中でもこのところ多くなってきたのが、彼らの会社が手掛けるビジネスについての相談だ。面白いことに、そのほとんどがいわゆる「富裕層向けビジネス」の相談なのだ。
この数年で日本の所得格差はさらに進み、富裕層はより富裕化している。そうした中、自分たちのビジネスも富裕層をターゲットにした方が良さそうだ、ということに気付いているのだろう。
ラグジュアリーブランドやプライベートバンク、あるいはリテールバンキングなどにおいて富裕層に特別な情報を提供するハイエンドビジネスがある。これまで、そうしたサービスを受けてきた富裕層が、今度はサービス提供者として富裕層ビジネスへの参入を検討し始めているのだ。
一口に富裕層と言ってもタイプはさまざま
以前、このコラムで、アジア富裕層の特徴を書いたことがある(「アジア富裕層のあふれる『欲』を刺激する方法」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47064)。それらの特徴の中で私が最も注目したのは、「アジア富裕層の多くが、グローバル富裕層向けのビジネスを展開している」という現実だった。アジア社会は日本よりもさらに二極化が激しいので、当然と言えば当然かもしれない。
特に目立つのは、ターゲットを富裕層に絞り、ハイエンド仕様にしたラグジュアリーリゾートを経営する富裕層ファミリーの多さだ。