慢性的な便秘に悩む人は多い。その原因は?(写真はイメージ)

 昔から健康のためには「快食・快眠・快便」が重要であると言われていますが、最近は便秘のため「快便」でないことに悩んでいる方が増えています。

 慢性的な便秘は一般に女性に多く、高齢になるに従い患者数が増えていきます。厚生労働省が2010年に行った国民生活基礎調査によると、便秘で悩んでいる人は全国で男女合わせて約479万人いると考えられています。しかし、自覚症状はないけれども実は便秘の人(隠れ便秘)や、アンケートに答えなかった人もいるため、実際には便秘の人は1000万人はいるのではないかとも考えられています。

 便秘があると、腹痛やお腹の張りなどの自覚症状がある場合はもちろん、自覚症状が少なくても活動の低下が起こると言われています。便秘により仕事の効率が落ち、さらに悪化すると欠勤や仕事への意欲が低下するため、アメリカの試算では、女性の慢性便秘の平均的年間損失額が7000ドルに及ぶという報告があります(あくまで国としての損失です)。

 それだけではなく、便秘によって様々な病気につながることが分かってきました。現在、世界的にも増加しており日本でも2015年に男女合わせた罹患率が1位となった大腸がんもその1つであると考えられています。

野菜や果物は不足していないか?

 慢性的な便秘の原因には様々なものが挙げられます。

 まずは食生活です。排便をスムーズにするためには腸内環境を良くする、つまり腸内の善玉菌を活躍させることが重要です。