完全数 紀元前から発見され続ける数
6=1+2+3
28=1+2+4+7+14
496=1+2+4+8+16+31+62+124+248
このように自分自身を除いた約数すべての和が自分と等しい数を完全数と言います。
聖アウグスティヌスは「6は数として完全である。だから神はすべてのものを6日間で創り上げた。6日間の仕事が存在しなかったら、世界は平らなままであっただろう」と述べています。
その名前から想像できるように完全数は滅多に存在しない特別な数です。現在までに発見された完全数はたった49個です。完全数の歴史は紀元前4世紀、古代ギリシャまで遡ることができます。
数学者ユークリッドは完全数が特別な形をした素数と関係していることを発見しました。
2のp乗から1を引いた形をしたメルセンヌ素数(2^p-1)に対して、2のp-1乗(2^(p-1))を乗じた数が完全数になるという法則です。メルセンヌ素数の発見は同時に完全数の発見を意味することになります。
1番目のメルセンヌ素数3(=2^2-1)に2^1=2をかけた数が、1番目の完全数3×2=6。
2番目のメルセンヌ素数7(=2^3-1)に2^2=4をかけた数が、2番目の完全数7×4=28。
3番目のメルセンヌ素数31(=2^5-1)に2^4=16をかけた数が、3番目の完全数31×16=496。
古代ギリシャでは4番目のメルセンヌ素数127(=2^7-1)が発見されていることから、4番目の完全数127×2^6=8128が知られていたことになります。
8128の約数は 1、2、4、8、16、32、64、127、254、508、1016、2032、4064と8128ですから、次が確認できます。
1+2+4+8+16+32+64+127+254+508+1016+2032+4064=8128
18世紀になってようやく8番目のメルセンヌ素数2^31-1=2147483647が数学者オイラーの手計算によって発見され、同時に8番目の完全数2147483647×2^30=2305843008139952128が発見されました。