シュシュはなぜこれほど多くの人を引き付けるのか。

 ここでは2つの取り組みに焦点を当てたい。1つは「常に変化してフレッシュであり続けている」こと、そしてもう1つは「客に喜んでもらおうという姿勢を貫いている」ことだ。

 直売所「新鮮組」の店頭には常に新鮮な農産物が豊富に並んでいる。直売所なのだから当たり前だと思うかもしれない。だがほかの直売所では、朝は新鮮な野菜がたくさん並んでいても午後にはなくなっているところが少なくない。シュシュでは何時に行ってもいつも新鮮な野菜が売られている。また 次々に新しい加工食品やサービスを開発し、客を飽きさせることがない。

 さらにシュシュを歩き回って実感したのは、隅々までサービス精神に満ちあふれていることだ。POPひとつをとってもそのことがよく分かる。商品の魅力を自分たちの言葉で丁寧に伝えるPOPを大量に作り、所せましと売り場に掲示している。売り場だけではない。なんとトイレの中までユーモアたっぷりの手描きのPOPが張り巡らされているのだ。

文字やイラストが詰まった密度の濃い手描きのPOP
拡大画像表示

 シュシュのこうした取り組みは、6次産業化を目指す農業組織のみならず、すべてのサービス業にとって参考になるはずだ。

 以下では山口成美社長へのインタビューの模様をお届けする。シュシュの設立の経緯、賑わいの秘密などについて話を聞いた。