農業をエンターテインメントに

──農家がそうやってお客さんと向き合うことは大切ですね。

山口 ここに来るお客さんにはとにかく喜んでもらいたいし、農業って楽しいんだよということを伝えたい。

 例えばイチゴハウスでは、イチゴの高さを調整して2歳のお子さんから大人まで楽な姿勢でイチゴが取れるようにしてあります。また、通路は車いすでも入れるように広くしてあります。

子どもも大人もイチゴを取りやすいイチゴハウス。通路は広く車いすも入れる。

──楽しんでもらうための工夫ですね。徹底的にお客さんのことを考えている。

山口 イチゴ狩りの入場料は200円です。もぎ取ったイチゴは100グラムで200円。1パックが300グラムとしてお客さんは800円を払うことになります。一方、長崎のスーパーでは平均して1パック約400円で売られています。つまり、イチゴ狩りだと1パックの値段が倍になるんです。それでもお客さんはイチゴ狩りをするんですよ。それは、イチゴ狩りが楽しいからです。