農業は労働産業ですが、イチゴ狩りは観光産業なんです。イチゴ狩りに来る人は農業だと思って来ていません。だから倍の価格でも払うし、若い女性もわんさとやって来るというわけです。

──ここでは結婚式をやったり、法事をやったり、農業塾も開いたり、なんでもありですよね。新しい加工食品も次々に開発しています。そういうアイデアはどうやって出てくるんですか。

山口 やはりお客さんに近い距離にいるから自然発生的に出てくるんだと思います。

──今までの農業には、そういう消費者の目線が足りないのかもしれませんね。

山口 男性が6次産業化を論じて「こういうのを作ろう」と言っても、お客さんは買ってくれません。なぜなら直売所で買い物をするのは女性だからです。

 ここもお客さんの多くは女性です。財布からお金を出して野菜を買う人、スイーツを買う人の8割が女性なんです。女性が「こういうのを買いたいよね」というのを作らないと。だからうちのスタッフは女性が多いんですよ。約70名の従業員のうち8割が女性です。できるだけ女性に活躍してもらって、売り場でも女性の視点を取り入れるべきだと思います。

地域の農家が元気でおしゃれなイメージに

──シュシュができたことで、地域の雰囲気は変わりましたか

山口 変わりましたね。この地域の農業のイメージが180度変わったと思います。

 農家の人が「大村で農業をやっています、シュシュの近くです」と言えば、長崎県内のほとんどの人に通じます。「シュシュに野菜を納めています」と言うと、ぐっとイメージが良くなります。元気そうで明るくて、おしゃれなイメージなんですよ。

──「地域の農業を元気にする」という当初の目的が果たせているということですね。どうもありがとうございました。