新興国のビジネスリスクシリーズ第7回目では、中南米最大の人口、面積、経済規模を誇る大国、ブラジルを取り上げたい。
2014年にサッカーW杯大会が開催され、2016年には南米大陸初のリオデジャネイロ夏季五輪大会が開催される予定であることから、国際的にブラジルへの関心度は高まっている。
まずは、ブラジルの概要から見ていこう。ブラジルは851万4877平方キロメートルの面積(世界第5位)を有する大国であり、南米大陸の約半分(47.3%)を占めている。また、人口も世界第5位の2億785万人を有し、中南米最大、さらに経済規模も2014年のGDPが2兆3530億ドルで、世界第7位の規模となっているなど、名実共に中南米最大の国となっている。
また、ブラジルは国連改革、WTO、環境・気候変動、G20(金融サミット)などの世界規模の問題にも積極的に関与し、全ての近隣諸国と良好な関係を保っている。米国、EU、日本、アジア、アフリカなどとも多面的な外交姿勢を堅持しており、国際社会での発言力、存在感は共に大きいと言える。
民族的には白人47.7%、ムラート(白人と黒人の混血)43.1%の他、黒人、アジア系等となっている。言語は公用語のポルトガル語が主流だが、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、日本語なども使用されることがある。宗教的にはカソリック65%、プロテスタント22.2%等が主流となっており、カソリック人口は世界最大である(民族および宗教については米国中央情報局(CIA)の「World Factbook」による)。