外務省は毎年秋、前年1年間の日本の在外公館において事故・災害、犯罪加害および犯罪被害等で何らかのトラブルに遭遇した邦人に対し実施した援護の件数および人数を「海外邦人援護統計」として発表している。

 日本からの出国者数、在留邦人の増加に伴い、件数・人数ともに増加傾向となっている。一方、海外で死亡する邦人の死因、割合等は、疾病および自殺が全体の約7割を占める点に大きな変化はない。

 昨今、海外でのテロ事件等の頻発に伴い、日本人の海外での安全対策に注目が集まっているが、それとは別の要因により多くの邦人が海外で亡くなっていることをぜひ認識し、企業の安全対策の一助にしていただきたい。

2013年の援護統計、援護件数は過去10年で2番目

 最新の援護統計である「2013年(平成25年)海外邦人援護統計」(2014年10月発表)によれば、2013年1年間の援護件数は1万7796件(対前年比2.32%減)で過去10年間(2004~2013年)において2番目に多く、総援護人数は1万9746人(対前年比3.10%減)で過去10年間では4番目の取扱人数となった。