難しすぎる!機能性表示食品の課題多きスタート

消費者の判断力に委ねて大丈夫なのか

2015.04.03(Fri)白田 茜

果物、野菜にも機能性表示

 果物に機能性表示する例も出てきそうだ。静岡県浜松市の「JAみっかび」では、温州ミカンに多く含まれる抗酸化物質で骨粗しょう症リスクを抑える「β-クリプトキサンチン」という成分の機能性を表示した出荷ラベルの表示を始めるという。

 科学的根拠については、農業・食品産業技術総合研究機構の「果樹研究所カンキツ研究拠点」が浜松医科大、浜松市と共同で三ケ日町住民を対象に2003年から実施してきた疫学調査が根拠になっている。

 今後、農林水産省などの協力を得て専門家によるレビューを実施する。専門家による機能性の詳しい検証と表示内容の検討、消費者庁への届け出の後、早生(わせ)品種の出荷が始まる11月からスタートする予定だ。機能性表示は、「本品はβ-クリプトキサンチンを含み、骨の健康を保つ食品です」「1日に3、4個を目安に」といった表現を検討しているという。

 国も農作物の機能性表示について積極的だ。農林水産省は20億円の予算をつけて、ミカンや緑茶、ほうれん草など11品目の農作物の機能性成分について、システマティック・レビューを行っている(「機能性を有する農林水産物に関するデータ収集等の取組について」)。

 今後も、農作物への機能性表示は相次ぐのだろうか。だが、これには懐疑的な意見もあるようだ。求められる科学的根拠が厳しく、要件をクリアできる農作物は限られるという見方もある。また、農産物は、自然環境や生産地による影響を受けやすく、栄養成分がばらつきやすい。そのため、品質をどうやって安定させるかが課題になる。

消費者に判断できるのか?

 2014年5月の記事「後を絶たない健康食品の被害、消費者庁が管理強化へ」でも触れたように、新制度に対応できない“いわゆる健康食品”は淘汰されていくかもしれない。新制度について消費者委員会が安倍晋三首相に出した答申書でも、「科学的根拠の無いイメージ広告等に対する行政処分をより強化すべき」いう意見が出ている。消費者庁は、“いわゆる健康食品”を厳しく取り締まる方針だ。

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