弁当を選ぶ目の動きまで追跡、
小売りの現場に押し寄せる「第3の波」とは

先端技術で客の行動をくまなくキャッチ

2015.02.06(Fri)白田 茜

 駅近にあるスーパーマーケット。朝9時オープン直後には朝食や昼食を購入するサラリーマン層が目立つ。移動経路を見ると、朝は惣菜と飲用売場を通りレジに直行する割合が高い。手に取っているのは2~3品のみ。電車に遅れないよう急いで買いたいのだろう。そこで、レジ近くにパンや弁当・ドリンク類を並べ、通勤時間帯に専用レジを設けたところ、売上がアップした――。店内での客の行動から導き出した売場改善である。

 このように、過去に売れた商品のPOS(Point Of Sales)情報だけでなく、客の行動自体を分析し、マーケティングに生かそうとする試みが増えている。

 新たな技術の開発で小売のマーケティングは変わりつつある。先端技術を見ながら、今後の小売のマーケティングの可能性を紐解いていきたい。

売るための資源は「過去」の情報から「現在」の情報へ

 小売店を訪れた客は、何をどのように買うのか。これまでは、POSデータや季節ごとの行事や催事、あるいは経験や勘で需要予測を立てていた。

 例えば、店舗内で構成比が高くなりつつある惣菜は、賞味期限が短い上に品数も多いため、需要の予測がむずかしい。これまでは過去の販売状況を見ながら、天候や催事を考慮してピーク時に欠品させないよう製造していたという。参考にするのは過去のデータと経験則で、来客店が買うのを迷って購入には至らなかった、興味を持ち手に取ったなどの顧客行動までは把握できていなかった。

 だが一歩進んで、売場に立ち寄ったが買わなかった、あるいは手に取ったが購入しなかった、などの顧客行動まで把握できれば、客に購入してもらうために、商品の構成あるいは陳列の方法を分析することが可能になる。

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