難しすぎる!機能性表示食品の課題多きスタート

消費者の判断力に委ねて大丈夫なのか

2015.04.03(Fri)白田 茜

求められる根拠は「トクホ」並み

 新たな表示制度は、トクホよりは費用や時間の面で事業者にとっての負担が少ないとされている。トクホは製品そのものでの臨床試験が必要で国からの許可が要るのに対して、機能性食品制度では許可を得る必要まではない。

 だが、機能性食品に求められる科学的根拠はトクホ並みと言えよう。2015年3月2日、新制度のガイドライン案が消費者庁により示された。その食品に機能性があることの評価は「製品で行う臨床試験」か「製品もしくは成分で行う研究レビュー」のいずれかで行われる。

 臨床試験を行う場合、「UMIN臨床試験登録システム」を経る必要がある。聞き慣れない言葉だが、これは臨床研究計画の概要を研究開始前に第三者機関に登録し、インターネットで公開するシステムのことだ。事前公開で、臨床試験後に当初の研究目的とは別の都合のよい結果のみを採用することを防ぐ。また、ポジティブな結果だけでなくネガティブな結果も伝わることで、過大評価を防ぐ目的もある。

 臨床試験の結果は、例えば「CONSORT声明」と呼ばれる国際的にコンセンサスの得られた指針などに準拠した形式で、専門家が水準に達したと認める「査読付き論文」で報告する。誰からでも適切に研究内容を評価できるようにし、研究の実施や公表が恣意的にならないようにする。

 一方、研究レビューによる評価では、同質の研究をまとめバイアスを評価しながら分析・統合を行う「システマティック・レビュー」による実証が必要になる。ポジティブなデータだけではなく、ネガティブなデータの双方から総合的に評価する。

 機能性を証明するためには、誰が同じ手法で試験やレビューを行っても同じ結果が得られるという「再現性」が必要だ。これだけを見ても、機能性食品の表示をするためには厳しい要件をクリアしなければならないことが分かる。

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