本記事はLongine(ロンジン)発行の2015年3月24日付企業IRレポートを転載したものです。
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オムロン株式会社(証券コード6645。以下、オムロン)

 安藤聡 執行役員常務 グローバルIR・コーポレートコミュニケーション本部長に同社の好業績の背景と今後の事業での取り組みについてお話を伺いました。

Longine IR部から投資家に伝えたい3つのポイント

●2014年度業績に関する会社予想は売上高、利益ともに過去最高を更新する。

●リーマンショック後の構造改革を通じて持続的な「稼ぐ力」を身に着けつつある。

●2020年に売上高1兆円以上、営業利益率15%以上を目標として掲げ、持続的な成長を実現している。

2014年度は最高益更新予想―リーマンショック後にオムロンの何が変わったのか

Longine IR部(以下、Longine):2014年度業績は会社発表では売上高、利益ともに過去最高を更新するとしており、最近の利益の推移に注目しています(図表1)。

 オムロンの最近の業績は円安や世界の景気循環の流れの中で、特に設備投資が上向いたことによって急回復してきたと考える向きもありますが、リーマンショック後の経営には、どのような変化があったのでしょうか。

オムロン 安藤聡 執行役員常務(以下、安藤):結論から言いますと、リーマンショックの前後で経営方針は大きく変わりました。

 確かに、2007年度まで6期連続で増収増益を達成できた背景には、明らかに外部環境の恩恵がありましたが、リーマンショック後の業績、特に2011年度からの急回復は、自発的に構造改革に取り組んだ成果であると認識しています。

Longine:その改革の取り組みや成果について具体的に教えてください。

安藤:リーマンショック後の構造改革の施策として、まず当社がメーカーとしていかに、利益にこだわるようになったかについてお話しします。

 リーマンショック後の2008年度は、計画を策定する時点でグループ全社の営業利益が赤字になるかもしれないという危機感がありました。当時の経営陣や事業部門のトップにとっては極めて大きなショックでした。というのも、ITバブルが崩壊した直後の2001年度決算でさえ当期利益は赤字でしたが、営業利益は黒字だったからです。

出所:SPEEDA、会社資料をもとにLongine IR部作成