今週は偽ベートーベンと論文を撤回することにしたSTAP細胞の研究者について、その共通点を指摘した東京大学の伊東乾准教授の記事がトップとなった。伊東さんは、一流の音楽家である一方で、もともとは物理学を専攻していたことから、異なる分野の人たちを専門家として見ることができる数少ない人材である。
STAP細胞の研究者への批判は私たち自身にも向けたい
その伊東さんの下した結論は、「若いときにきちんと鍛えられていなかった」である。
鉄は熱いうちに打ては、人を育てるための教訓だが、それがきちんとなされないと、今回のような、何ともお恥ずかしい結果を招くこともある。
少子化が進んで、子供を躾けることが疎かにされてこなかったか、私たちは彼らを批判するだけでなく自分たちの問題として考える必要があるだろう。
さて先週はウクライナ問題に読者がそれほど関心を寄せていないようだと書いたが、間違っていたようである。
今週の2位には「プーチンに北方領土返還の意志はない」が入った。また9位にも「プーチンは西側の制裁にどこまで耐えられるか」が入り、15位はきちんと歴史を振り返った保存版とも言える「ウクライナ問題にほくそ笑むロシアのガス会社」だった。
また16位にも「ウクライナ危機で中国が立場を示さない理由」が入っている。
それ以外では、日本の医薬品開発の不手際がなぜ起きるのかを詳細に分析した「問題だらけの医薬品開発、ついに武田薬品まで」が17位に入っている。
また、読者の投稿として18位に「不況続きの競輪、選手の不可解な処分で拍車かかる」が入ったのも興味深い。
競輪のトップ選手が1年もの出場停止処分を受けた事件だが、意外に知られていなかったのだろう。また、その処分のあり方が極めて日本的。おそらく組織防衛なる視点での処分だと思うが、競輪という産業全体を全く顧みない処分と言える。
マレーシア航空機については、マレーシア在住の末永恵さんが詳細なリポートを書いてくれている。おそらくほかのメディアではこれほどのボリュームと質のリポートは読めないと思う。20位までのランクには入らなかったが、最新記事の「渦中のアンワル氏、消えたマレーシア機機長の自殺説について語る」もぜひお読みいただきたい。