今、競輪界が揺れています。3月12日、競輪界のトップを走る選手23人が競輪出場の自粛休場の勧告処分を受けました。長塚智広、武田豊樹、村上義弘の3選手は1年間、新田友大、平原康多の2選手は8カ月、残りの選手も6カ月間の自粛を勧告されており、その処分は非常に重いものです。

 なぜこのようなことになったのか、発端は昨年12月にさかのぼります。

 平成25(2013)年12月19日、オリンピックに向けた自転車競技の強化や競輪界を盛り上げることを目的に、トップクラスの選手ら18人が日本競輪選手会から「SS11」という新たな選手会に移籍する意向を表明、日本競輪選手会に退会届を提出しました(その後賛同する選手を加え、最終的に23人がSS11に移籍を表明)。

 これに対し、選手会は手続き上の不備があるとして退会届を保留し、「選手会の規則を乱した」との理由から、これらの選手の除名処分を検討しました。1月20日、脱退宣言をした選手が混乱を招いたことを謝罪し、脱退宣言を撤回しました。

 これを受け、選手会は全23人の除名処分は取り消したものの、2月26日、脱退を表明した23人に選手会から何らかの処分が下されると報道されました。そして3月12日、上記のような処分が下されることとなりました。

署名活動

 ファンの声を無視した決定であると言わざるを得ません。これほど多くの主力選手が出られないレースを一体誰が見たがるというのでしょうか。

 かつては某選手がオールスター競輪中に宿舎内に通信機器を持ち込んだとして、1年間の斡旋停止処分を受けましたが、このような不正行為(と疑われるもの)とはわけが違います。

 2020年の東京オリンピックに向けて競輪全体で盛り上がっていくために起こした行動なのに、結果は競輪全体の足を引っ張る形となっています。これでは一致団結して競輪を盛り上げていくなど不可能でしょう。選手会内部の議論に終始した結果です。

 私は厳罰が検討されるという報道を受けてから、彼らの処分軽減を求めて署名活動を行いました。およそ1週間程度の活動でしたが、568人の署名が集まり、3月10日に選手会に提出しました。