2019年7月、ジャニー喜多川氏の死去を伝えた街頭テレビ=東京・有楽町(写真:共同)

 9月7日、ジャニーズ事務所がジャニー喜多川前社長の性加害疑惑を巡り記者会見を開いた。藤島ジュリー景子社長は引責辞任し、新社長に少年隊の東山紀之氏が就任。ジュリー景子氏はジャニー喜多川氏の性加害を事務所としても個人としても正式に認め、「心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。8月29日には「外部専門家による再発防止特別チーム」が調査報告書*を公表していた。JBpressではジャニーズ性加害問題を報じたBBCの記者へのインタビューのほか、問題の背景となった業界の構造などについて論考を掲載してきた。主な記事をまとめた(JBpress)。

*「外部専門家による再発防止特別チーム」の調査結果

(配信先のサイトでご覧になっている場合、下記の関連記事リンクまたは「JBpress」のサイトから記事をお読みください)

ジャニーズ事務所は経営体制刷新で出直しを目指すが・・・(写真:ロイター/アフロ)

ジャニーズ性被害問題、一部で指摘されつつも放置されてきたのは誰のせいか
マスコミ関係者には周知の事実、それに目をつむり利益共同体を形成したその罪
(6/20 JBpress掲載)

高堀 冬彦:放送コラムニスト、ジャーナリスト)

 創業社長のジャニー喜多川氏(2019年に87歳で死去)による性加害問題をはじめ、ジャニーズ事務所に関する諸問題は『週刊文春』以外ではほとんど報じられてこなかった。どうしてなのか。その背景で見逃せないのはジャニー氏の実姉で元名誉会長のメリー喜多川氏(2021年に93歳で死去)の強い政治力だ。ジャニーズ事務所は各民放と関係が極めて深いが、特に日本テレビと近い。《続きを読む》

少なくとも10人の少年に性的虐待をしていた元アシスタントコーチのサンダスキーは最短30年の懲役判決を受けた(写真:AP/アフロ)

ジャニーズ性加害問題が米国だったらジャニーズとジャニー喜多川はどうなる?
サンダスキー事件は最短30年の懲役、ペンシルバニア州立大学の負担は2億ドル
(5/23 JBpress掲載)

大橋 弘昌:米国ニューヨーク州弁護士、外国法事務弁護士)

 米国で弁護士として仕事をする者として、「もし米国だったら……」とつい考えてしまう。また、読者の皆さんにも米国のスタンダードを知ってほしいという思いもある。そこで、米国における過去の事件を基に、議論を深めてみよう。《続きを読む》

ジャニー喜多川・性加害問題を報じたBBC制作陣が語る、なぜ我々は報じたのか(5/27、28 JBpress掲載)

長野光:ビデオジャーナリスト)

 今年3月に英公共放送BBCが報じた故ジャニー喜多川氏の性加害問題。ドキュメンタリーが放映されてから、その衝撃は日本にも広がり、20年以上の時を経て、この問題が大きく再燃している。ドキュメンタリーの中では、リポーターを務めたジャーナリストが藤島ジュリー景子社長に取材を申し込み、したたかに門前払いを食らわされた。一連の騒動のキッカケを作ったジャーナリストで、BBCの番組制作を手掛けるモビーン・アザール氏に話を聞いた。《続きを読む》

テレビ局と芸能事務所の関係は健全なものになるのだろうか(写真:アフロ)

ジャニーズ依存症のテレビは変われるのか、番組編成表が示す持ちつ持たれつ
メディアの「ご都合主義」は自らの衰退を招くだけだ
(5/24 JBpress掲載)

岡部 隆明:就職コンサルタント、元テレビ朝日人事部長)

 ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川氏による所属タレントへの性加害についてメディアが連日、大きく取り上げている。しかし、以前は疑惑が報道されても追随するメディアが限られていたこともあり、新聞やテレビに対する不信感が募っているようだ。メディアの「ご都合主義」は、新聞離れやテレビ離れの加速にとどまらず、魅力ある企業としてメディア、とりわけジャーナリストを目指そうとする若者の減少につながるのではないかと危惧している。《続きを読む》

動画で謝罪したジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子氏(写真:ジャニーズ事務所の謝罪動画より)

藤島ジュリー景子と東山紀之の謝罪がどこかチグハグで胸に響いてこない理由
事務所と所属タレントは「知らなかったふり」で乗り切ろうとしているのか
(5/22 JBpress掲載)

青沼 陽一郎:作家・ジャーナリスト)

 ジャニーズ事務所の創業者で前社長のジャニー喜多川氏(2019年死去・享年87歳)による所属タレントへの性加害について、藤島ジュリー景子社長が動画と文書を発表して公式に謝罪したのは、5月14日の日曜日の夜。それからちょうど1週間が経った21日の日曜日の朝のニュース情報番組で、キャスターを務める所属タレントの東山紀之がこの件に言及し、謝罪の言葉を口にした。《続きを読む》