さまざまなサプリが販売されている(写真:Kmpzzz/Shutterstock.com)

小林製薬の紅麹成分入り機能性表示食品による健康被害が相次いだ。問題発覚後、機能性表示食品のサプリメント市場も影響を受け、販売額は約2割減少しているという(4月19日付の読売新聞)。消費者庁も機能性表示食品制度の見直しに向けて専門家検討会の初会合を開いた。しかし、そうした情勢もどこ吹く風、民放の番組では機能性表示食品を含む健康食品のCMがあふれている。中には、科学的根拠が不確かな食品を、いかにも効果がありそうに印象付ける手法で宣伝するCMもある。放送の使命のひとつである公共の福祉の観点からも、自制すべきではないか。

(岡部 隆明:就職コンサルタント、元テレビ朝日人事部長)

健康食品のテレビCMには決まったパターン

 のどを殺菌・消毒するから『のどぬ~る』——

 小林製薬はネーミングのうまさで知られていました。「よく考えるものだな」と感心するくらい次から次へと新商品を生み出し、紅麹サプリの問題が発生する前は、テレビで小林製薬のCMを見ない日はないほどでした。

 今回、健康被害に遭った人の中には、「テレビCMでお馴染みの会社だから」と小林製薬を信頼して摂取した人も多いのではないでしょうか。

 曜日や時間を問わず、テレビをつけると、いわゆる健康食品のCMが大量に流れています。これらは、あれこれと例を挙げて、もっともらしい理屈をつける「血液型占い」と似たようなものであって、それを信じるかどうかは自己責任だと聞き流してきました。

 しかし、紅麹サプリのニュースに接して、私は改めてテレビCMの健全性を大事にする必要があるのではないかと考えるようになりました。

 そもそも健康食品のテレビCMが多いのは、高齢者が視聴層の中核になっているからです。実際に「テレビを見るのは高齢者ばかりだ」という嘆きを放送業界の人からよく聞きます。

 今回の件を受けて、私は健康食品のCMを注意深く見てみました。すると、決まったパターンがあることに気づきました。それを一言で表せば、「不安心理の刺激と解消」です。だいたい以下のような展開です。

「つらい神経痛!」
「気になるお腹の皮下脂肪!」
「どんどん進む足の衰え!」

 まずCMは不安を増長させる言葉で始まります。